SILKYPIX11PROで表示される色味の問題
以前こんな記事を書きました。
k-photography.hatenablog.jp私は誤解していたようです。今回の事象によってSONYのレンズ選びも含めて根本的に全てがひっくり返ってしまいました。
Nikon Z50が描くJPEG撮って出しの色が好きですが、ここぞの時に抑えておくRAWデータをSILKYPIX11PROで読み込むと…
この色からの調整になってしまうよと書きました。
10月の終わり頃にPhotoshopElementを約12年ぶりに更新し、PhotoshopElement2023にしたんですね。すると一ヶ月も経たずして2024年度版が発表されまして、無償で2024年度版にアプデ可能になったので更新しました。ついでにCamera RAWも久々に入れてみることにしたのです。
Camera RAWは相変わらず調整出来る項目が少なくて、現像するには物足りなさが拭えません。本来ならばLightRoomがやりやすいのですが、私のLightRoom4ではSONY α7IVのARWというRAWデータや、FUJIFILM X100VのRAFというRAWデータ、Nikon Z50のNEFというRAWデータを読み込むことは出来ません。
しかしCamera RAWを通す事でDNGというRAWデータ形式に上書き変換することが出来ます。DNGになるとLightRoom4でRAWデータとして読み込むことが出来るのです。調整は大雑把にCamera RAWで行う→LightRoom4でRAW現像という、一体こんな方式で誰がやるんだと言われてしまいそうですが、私には※ウルトラCな方法だったのです。
※RAWからRAWへ上書き保存出来る事
話しが大分逸れましたが、何はともあれこれでLightRoom4でRAW現像出来るなと喜んでいました。そこでふと気になったのがZ50のRAWデータ。何気なくCamera RAWで読み込んでみると…
あれ?水色がない!(素の状態)
えっ…(絶句)
もうお分かりかと思いますが、RAWデータの色味がおかしかったんじゃなくてRAW現像ソフトの色がおかしかったのです。この後SILKYPIX11PROの表示色に関するオプションを全て試しましたが改善しませんでした。ひとまずSILKYPIX11PROの話しは置いといて。
Camera RAWで調整したRAWデータをLightRoom4で読むと調整パラメータは保持されたまま表示されます。同じAdobeだからですけど、ソフトの発売日に10年以上の差があってもちゃんと互換性があるのは嬉しい。
これはRAWデータの撮って出しですね。デフォルトのままの色ですが、非常にニュートラルで、一転してNikonのRAWデータって素生が良くて扱いやすいという真逆の印象に反転しましたよ。
思い通りにもっていけます。ちょっとVelviaっぽく仕上げてみました。
となると問題は全てSILKYPIX11PROだったという。RAW現像の全てを担っていただけに面食らいましたね、さすがに。ということは…これも以前から書き続けていた事ですが、α7IVは純正レンズでないと色味が…というのもソフトが原因という事が十分に考えられます。
Z50のRAWは水色が顕著に出ましたが(もしかしたら黄色)、α7IVのRAWはやや黄色が出てくる印象でした。それが特にサードパーティ製レンズの時に顕著だったので、純正レンズ以外はどうも…的な書き方をしてましたよ。
ならば何故SONY純正レンズだとSILKYPIX11PROで読み込んだRAWの色味に違和感が無かったのか。元々SONYの色が青っぽいからだと思うんですね。そこに若干のyellow(というか暖色)が混ざっても、むしろ丁度良くなってしまうというか馴染んでしまうというか。
SIGMAの色味はSONYとは全く違いまして、やや青味の少ない暖色系で出てきます。TAMRONに比べれば冷調という事になるのかもしれませんが、純正の色味に比べれば暖色系に感じますね。
なのでSILKYPIX11PROで読み込むと、それが更に助長されて違和感に。
どうしても空の青が純正の色味と違うサードパーティ製レンズ。好みの問題なんでしょうけれどね。
幸い今回の方法でRAW現像ソフトを新しくする事なく何とかなりそうです(RAW現像は1回の撮影で数枚に留まるので)。個人的にはむしろLightRoomの方が圧倒的に調整がしやすいのでね。
今回の件でNikonのRAWに対する違和感は完全に払拭され、Nikonのフルサイズ機へGoサインが出てもおかしくない程スッキリした反面、SONYで感じていた色味の違和感(非純正レンズ撮影時)も解消してしまった感は否めません。そもそもそこだったんです、Nikonに惹かれた理由って。根本から崩れた今、だったらSONYでも全然いけるんじゃないかと葛藤が始まっています。まあ2マウント体勢でいけば何ら問題ないわけですが、幾らでもあるならね。
ちなみにそれならば、と。
Nikon純正の現像ソフト【NX studio】で試してみたら、素の状態で一番最高なのは結局これでした。調整項目も一通り揃っていて、特別難しい事をしない限りは十分過ぎる機能を持っているようです。こういう純正ソフトでマトモだと初めて思えるソフトでしたね。かなり驚きました。
さらに嬉しいのはお馴染みのピクチャーコントロールを後からでも変更出来る事。この辺はどのメーカーも可能になっていますが、いかんせんソフトとしての調整項目のチープさで使う気になれなかったんですよね。
ただしこのソフトの場合はJPEGかTIFF、もしくはHEIFでしか出力出来ません。LightRoom4でネーム入れをしたいのでJPEG保存したデータを更にJPEGで上書き保存する事になってしまいます。
Camera RAW(RAWデフォルト)
NX studio(RAWデフォルト)
恐らく正確にはCamera RAWの色味が最も素に近いはずです。NX studioもFUJIFILMと同様にRAWデータにピクチャープロファイルという化粧を施しているので(デフォルト仕様)。ただこれが非常にやりやすい。
JPEG撮って出し
RAWとほとんど色味変わりませんよね。
SILKYPIX11PRO(RAWデフォルト)
それにしても同じRAWでもこの差…現像ソフトで全部違いますねえ。現像ソフト選びもかなり重要だということが分かりました(今さら)。
今年最後の投稿になります。閲覧していただけた全ての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました!来年もお暇だったら見に来てやってください。それでは良いカメラ・レンズをお迎えください。